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December 25, 2005

「キング・コング」 お手玉できりゃいいのかい?

☆ ここのところ、世間の評判はいいのに、自分はまったくノレなかったという映画が続いて落ち込んでいます。だって、本家「キング・コング」の本質は、「報われぬ愛」、キングコングが一方的に美女に恋し、破滅していくという悲劇だったから感動したのに、今回のリメイクは、「相思相愛」。これじゃあ、本家に敬意を表するとか言いながら、換骨奪胎だとは思いませんか。それも、きっかけは、お手玉ですよ、お手玉。キングコングはモンスターじゃなくて、ただのでかい猿だし(しかもかわいいところが致命的に映画のできを小さくしている)、髑髏島はジュラシックパークだし、そのシーンは飽きるくらい描いているのに、いくら眠っているとは言え、どうやって船に乗せたのかは全然描かない。考えてみればそもそもお話そのものは、船に乗せられた時点で終わってるんですね。ジャングルから出た時点でキングコングの悲劇は確定してしまったんだから。ニューヨークシーンは、エンパイアステートビルに上らせたいための付け足しに過ぎない。まあ、これは本家もそうだからと言ってしまえばそうなのですが。いやあ、長い長い三時間だったこと。本家は1時間半ですよ。正直、だらだらした三時間より濃密な1時間半に金を払いたいと思いませんか。でも、CGはすごいでしょ、って?確かに。でも残念ながら、それと映画の評価は比例しません。というか、考えてみれば、みなさん大絶賛の「ロード・オブ・ザ・リング」も僕には三部作にするほどの意味が見出せず、結局僕は、この手の映画って苦手なんだなと思い至った年末でした。

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December 06, 2005

「男たちの大和」 タイタニック?

☆☆ 映画が公開されたら確認してほしいのですが、エンドマークのあとに流れる特攻隊員の実写フィルムは一般公開でも映写されるのでしょうか。僕は、試写会で観たのですが、正直、2時間半の本編よりも、このおまけのようなフィルムの中の一コマ、まだ幼な顔の本物の特攻隊員が小犬を抱いている一枚の写真のほうが胸に迫りました。ああ、こんな幼い子どもたちが無駄な戦いで命を散らしたのだと思うと、胸がつまります。けれど、残念ながら、本編のほうはそこまでの切実感を得ることができませんでした。たとえ戦争の愚かさを伝えるとしても、やはり、虚構として見せるからにはなんらかいい意味でのハッタリが必要なのではないでしょうか。たとえば、僕ならこんな話にします。
《ファースト・シーンは、海中に沈んでいる現在の大和。それをビデオで見ている老女。テレビクルーが彼女にインタビューをする。「あの大和に乗っていたんですか、あなたは?」。微笑む老女。回想シーンになって、出撃直前の大和。幼ななじみの少年兵を追ってきた少女が、どさくさに紛れ、大和に密航してしまう。少女は、船内を隠れながら少年兵を探す中で、大和の構造や今回の航海が二度と戻らぬ特攻であることを知っていく。今まで内地で聞かされてきたこととあまりに違う戦争の現実に呆然とする少女。やがて、少年兵とめぐりあったときは、米軍が大和を総攻撃する日だった。傾いていく甲板を手に手をとって海へ落ちていく二人。板切れにつかまり、海に浮かんでいたが、少年は力尽き、海のもくずと消える。そして少女だけが、救助船に助けられる。彼女を助けた船の乗組員は仰天する。「少女じゃないか」。現在のシーンに戻ると、老女の手の中にはあのとき少年兵が着ていた軍服のボタンがひとつ・・・。》
まるでタイタニックのような話になってしまいましたが、これならアカデミー賞候補になったかも?

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