「真珠の耳飾りの少女」 1枚の絵があれば、1本の名作はできあがる。
☆☆☆
たった1枚の絵画から発想された物語。画家とモデルの許されぬ恋物語、といえばたいした想像力もいらないだろうと思われるかもしれないが、どうしてどうして奥は深い。光と影の産物であるフェルメールの絵に挑戦するように、映画もまた光と影に徹底的にこだわり、「世界の中心で~」などよりはるかに単純なのに、はるかに豊かな物語が立ち上がった。どうしてこれほどコクのある、スリリングな映画ができあがるのか、日本の映画人に考えてほしいほどだ。「ビッグ・フィッシュ」に続き、想像の翼をひろげることの素晴らしさを教えてくれる幸福な映画が、外国映画にまた現れた。
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