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June 05, 2004

「ロスト・イン・トランスレーション」 男女が結ばれない稀有なアメリカ映画。

☆☆

異国の地で出会った孤独な男女。といえば99パーセントできてしまうのが、アメリカ映画なのに、この二人はできないんですね。そこが、なんか妙に透き通った印象の映画なんですね。場所はホテルのバー、ホテルの部屋っていうのに。でも、アメリカ映画の描く日本らしく、浅草とか富士山とか京都とかすき焼きとかはちゃんと観光映画風に出てくるのは、お約束どおり、というところ。妙なCM撮影の素材がまた、「響」というウィスキーというのが象徴的でね、香りはいいけど、酔いつぶれるまで下品にはならない映画でした。

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「ワイルド・フラワーズ」 チープなつくりに、みなぎる感動。

☆☆☆

破産寸前の女子プロレスチームという設定のチープさに応えるように画面もゆるく、ギャグも安っぽい。じゃあつまらないのかというと、これが滅法おもしろい。試合のシーンを白眉としてキャスト、スタッフの心意気が伝わってきてどうにも愛情を感じてしまうのだ。「ウォーターボーイズ」の流れを汲む、うまいとは決していえないけど妙に気持ちが伝わるB級娯楽映画。日本映画のひとつの鉱脈だと思うのだが、「ウォーターボーイズ」がヒットしたのに対して、こっちのほうはガラガラの映画館だった。ビデオでもいいから一人でも多くの人に見てほしい。

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June 02, 2004

「真珠の耳飾りの少女」 1枚の絵があれば、1本の名作はできあがる。

☆☆☆

たった1枚の絵画から発想された物語。画家とモデルの許されぬ恋物語、といえばたいした想像力もいらないだろうと思われるかもしれないが、どうしてどうして奥は深い。光と影の産物であるフェルメールの絵に挑戦するように、映画もまた光と影に徹底的にこだわり、「世界の中心で~」などよりはるかに単純なのに、はるかに豊かな物語が立ち上がった。どうしてこれほどコクのある、スリリングな映画ができあがるのか、日本の映画人に考えてほしいほどだ。「ビッグ・フィッシュ」に続き、想像の翼をひろげることの素晴らしさを教えてくれる幸福な映画が、外国映画にまた現れた。

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